環境にやさしい “fossil-free steel”
こんにちは!
今回は、HARDOXの製造メーカーであるSSAB (スウェーデンスティール社) のfossil-free steelについてご紹介します。
SSABとは、スウェーデンに本拠を置く鉄鋼メーカーで、高品質な鉄鋼製品を製造することで知られています。そして、SSABが最近注目を集めているのが、fossil-free steelの製造です。
fossil-free steelとは?
fossil-free steelとは、従来の鉄鋼製造に比べてCO2排出量を大幅に削減する製造方法です。
みなさんは鉄を作るのにどのくらいのCO2が排出されるかご存じでしょうか?
製造方法によっても違いますが、一般的には、高炉製鉄では1トンあたり1.8〜2.3トンのCO2が排出されます。製造する鉄より排出されるCO2の方が多いとはおどろきですね…
SSABが採用している製造方法は、水素を使って鉄鉱石を還元することで、CO2の排出を抑えています。この方法により、従来の鉄鋼製造に比べて、CO2排出量を90%以上削減することができます。
SSABは、2026年までにスウェーデンとフィンランドの製造拠点であるOXELÖSUND、LULEÅ、RAAHEの3工場をfossil-free steel製造に切り替える予定です。また、2030年までには、全体の生産量の50%をfossil-free steelに切り替える計画を立てています。
現在、鉄鋼業界は世界の二酸化炭素排出量の約 7% を占めると言われています。化石燃料を使用しない鉄鋼生産に移行することで、業界は世界的な排出削減に大きく貢献できる可能性があります。
まだまだ、技術的な課題やコストの課題があります。しかし、世界中で取り組みが進められていることや、多くの企業や政府が化石燃料を使用しない取り組みに注目していることから、今後ますますfossil-free steelの発展が期待されます。